定年前に会社へ聞くこと7つ。再雇用が決まっても、賃金額はまだ教えてもらえません

再雇用が決まって、ひと安心した。
私はそうでした。2027年2月に60歳になります。会社に残ることは決まっています。だから、あとは流れに任せればいいと思っていました。
ところが、制度の要件を1つずつ読んでいくと、会社に聞かないと自分では埋められない欄がいくつも出てきました。
そして厄介なことに、その多くは「今ならまだ間に合うが、始まってからでは遅い」種類のものでした。
この記事は、国の資料から要件を逆算して作った確認リストです。私自身がこれから聞くものです。
まず、いちばん困っていること
再雇用後の賃金額が、まだ分かりません。
決まっていないのか、決まっているが伝えられていないのかも分かりません。
これが分からないと、高年齢雇用継続給付の受給額が1円も計算できません。この給付は「60歳時点の賃金と比べて何%に下がったか」で決まるからです。
60歳以降の賃金が、60歳時点に比べて75%未満に低下 (ハローワークインターネットサービス「雇用継続給付」)
比べる相手が決まらないと、割り算ができない。当たり前のことですが、これが今の私の状態です。
聞くこと1:再雇用後の賃金額は、いつ決まるのか
金額そのものより、まず「いつ決まるか」を聞くほうが先です。
理由は2つあります。
決まるのが定年の直前だと、準備できる期間がほとんど残りません。そして給付の申請には期限があります(後述)。
もう1つは、決まる時期が分かれば、それまでにやるべきことの順番が組めるからです。
聞くこと2:60歳時点の賃金を、何で証明するのか
給付の判定は「60歳時点と比べて何%か」で決まります。
つまり60歳時点の賃金額が、あとから必要になります。
会社が把握しているはずですが、どの数字を使うのか(基本給か、手当込みか、賞与は入るか)は、聞いておかないと分かりません。
私は、給与明細を自分でも残しておくことにしました。比べる基準のほうを、あとから思い出そうとしないためです。
聞くこと3:給付の手続きは、誰が出すのか
ここが、知らないと落とし穴になります。
提出者:事業主(本人申請も可) 提出先:事業所の所在地を管轄する公共職業安定所(ハローワーク)
原則は会社が出します。
自分でハローワークへ行くものだと思って待っていると、話が噛み合いません。逆に、会社が「本人が出すもの」と思っている場合もあり得ます。
「うちはどちらですか」と一言聞くだけです。
聞くこと4:その手続きは、いつまでに出すのか
期限があります。
初回:最初に支給を受けようとする支給対象月の初日から起算して4か月以内 2回目以降:指定された支給申請月中
4か月です。
再雇用が始まってバタバタしているうちに過ぎる長さだと思います。しかも、原則は会社が出すものなので、自分が忘れていなくても止まることがあります。
聞くこと5:退職金はあるか。あるなら、申告書はどうするのか
私の会社には退職金の規程がありません。なので私自身はこの欄が空になります。
ただ、規程がある会社の方には、これがいちばん金額の差が大きいと思います。
退職手当等の支払を受けるときまでに「退職所得の受給に関する申告書」を提出している場合、源泉徴収は退職所得控除額を差し引いた後の金額の2分の1に対して行われます。 提出していない場合は、収入金額に対し一律20.42%の所得税および復興特別所得税が源泉徴収されます。 (国税庁 No.1420 退職金を受け取ったとき)
紙1枚を出すか出さないかで、引かれる額が変わります。
出さなかった場合でも確定申告で取り戻せますが、取り戻す手間が発生するという話です。
「退職金はありますか」「申告書はいつ、誰が用意しますか」——この2つを、規程がある方は聞いておく価値があります。
聞くこと6:健康保険はどうなるのか
再雇用で会社の健康保険に入り続けるのか、それとも変わるのか。
私はまだ確かめていません。
任意継続と国民健康保険のどちらが有利かという話は世の中にたくさんありますが、そもそも自分がその選択をする立場なのかどうかが先です。再雇用で会社の保険が続くなら、選ぶ場面自体が来ません。
順番を間違えると、要らない比較に時間を使います。
聞くこと7:雇用保険の被保険者期間は5年以上あるか
給付の要件の1つです。
雇用保険の被保険者であった期間が5年以上ある
私は同じ会社に20年以上勤めているので、ここは満たしています。確かめました。
(物流の仕事そのものは38年ですが、いまの会社に入ったのはそのあとです。この2つは別の数字なので、分けて書いています。)
ただ、転職や休職があると計算が変わることがあります。「勤続年数=被保険者期間」とは限りません。会社かハローワークで確かめられます。
会社に聞いても、分からないことが残ります
ここまで7つ挙げましたが、会社が答えられるのは「会社の中のこと」だけです。
私の場合、こういう問いが残ります。
- 給付を受け取ったうえで、生活は成り立つのか
- 賃金が下がったぶんを、何で埋めるのか
- 退職金が無い前提で、60代の家計はどうなるのか
これは会社の担当者の仕事ではありません。制度の説明はしてくれますが、私の家計は見てくれません。
私自身、この部分をまだ埋められていません。数字は集まったのに、判断ができないという状態です。
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立て直しの順番
7つ並べましたが、聞く順番があります。
- 賃金額がいつ決まるか(これで全部の予定が決まる)
- 手続きは誰が出すか(原則は会社。ここを外すと止まる)
- 60歳時点の賃金は何で証明するか(あとから作れない記録)
残りは、この3つが片づいてからで間に合います。
制度を覚えるより、この3つを聞くほうが先です。中身は必要になったときに調べ直せますが、60歳時点の賃金は、そのときにしか記録できません。
この記事で使った資料
- ハローワークインターネットサービス「雇用継続給付」 https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_continue.html
- 国税庁 No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1420.htm
数字と決まりは、すべてこの2つから引きました。個人の解説動画や記事は、論点を探すためだけに使い、根拠にはしていません。
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まとめ
- 再雇用が決まっていても、賃金額はまだ分からない。だから給付額も計算できない
- 聞くことは7つ。優先は「いつ決まるか」「誰が出すか」「何で証明するか」の3つ
- 給付の手続きは原則が事業主。初回は4か月以内
- 退職金がある人は、「退職所得の受給に関する申告書」1枚で引かれる額が変わる(出さないと一律20.42%)
- 会社が答えられるのは会社の中のことだけ。家計の見通しは、自分で埋めるしかない